青森県水産試験場研究報告 2,23−30 (2002)


                                                              

        

青森県におけるサケ科魚類相



原子 保




The Salmonidae Fauna of in Aomori Prefecture



                   Tamotsu Harako



  1988年に本県におけるサケ科Salmonidae魚類相(原子,1988)をまとめているが,その後新たな知見が得られているので,それらを含めて棲息分布状況の現状を明らかにする. 




                           要  約



  青森県内に11種のサケ科Salmonidaeの分布が確認された.
  トキシラズとして知られているNatsusakeが種として独立すれば,本県の河川沼湖沿岸域には12種が分布していることになる.
  新たに確認されたのは,ブラウントラウトS.truttaで河川沼湖及び沿岸域という広範囲な場所で確認された.
  アメマスS.leucomaenisは,ほとんどの調査河川に広く分布していた.
  サクラマスO.masouは,アメマスに次いで多く認められたが,流程が5Km未満の小河川には,ほとんど分布していなかった.
  サケO.ketaは,種苗放流を行っていない河川においても分布が確認された.