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テロワール テロワール

⻘森県は、岩⽊⼭(いわきさん)や⼋甲⽥(はっこうだ)、世界⾃然遺産の⽩神⼭地(しらかみさんち)、⼗和⽥⼋幡平国⽴公園(とわだはちまんたいこくりつこうえん)、下北半島国定公園(しもきたはんとうこくていこうえん)など、⾯積の約66%を森林が占め、雄⼤な⾃然が広がる地。緑ゆたかな森が⾬や雪どけ⽔をたくわえ、良質な⽔を育みます。
⾺淵川(まべちがわ)、新井⽥川(にいだがわ)、奥⼊瀬川(おいらせがわ)などが海に流れこむ⼋⼾(はちのへ)地区の⽔は、県内でも硬度が⾼く、濃醇⾟⼝タイプのお酒がつくりやすいのが特徴です。⼗和⽥・上北(かみきた)・五⼾(ごのへ)地区は、⼋甲⽥や⼗和⽥、下北など、⼭地にしみこんだ⽔由来の地下⽔からなる中程度の軟⽔。やわらかく、きれいなお酒がつくりやすい⽔です。⻘森(あおもり)・鯵ヶ沢(あじがさわ)地区は、中⼭⼭脈(なかやまさんみゃく)や⽩神⼭地からの豊富な地下⽔と、海岸にも近いため、中程度の軟⽔ですが塩素は⾼め。味わい深く、きれいなお酒がつくりやすい⽔です。
⼋甲⽥⼭地にしみこんだ地下⽔が湧き出る⿊⽯(くろいし)地区は、弱酸性で中程度の硬⽔、ミネラルもほどよく含んでいます。バランスの良いお酒がつくりやすい⽔で、硝酸も多めなことから、⽣酛(きもと)づくりにも向いています。
弘前地区は、岩⽊川の伏流⽔が主体。井⼾の深さなどで異なりますが、おおむね硬⽔に近い弱酸性の軟⽔です。淡麗⾟⼝から⽢⼝まで、きれいなお酒をつくりやすい⽔です。

津軽平野を縦断する岩⽊川

津軽平野を縦断する岩⽊川

⼗和⽥湖より太平洋に流れ出る奥⼊瀬川

⼗和⽥湖より太平洋に流れ出る奥⼊瀬川

⾵⼟(⼟地・県⺠性)

⻘森県は⽇本海、津軽海峡(つがるかいきょう)、太平洋と三⽅を海に囲まれ、内湾の陸奥湾(むつわん)を抱いています。中央部にそびえる奥⽻⼭脈(おううさんみゃく)が県内を⼆分するなど複雑な海域と地形を有することから、同じ県内でも地域によって気候が⼤きく異なります。特に、奥⽻⼭脈の東部(県南地域)と⻄部(津軽地域)で気候⾵⼟の違いが顕著です。冬、県南地域では乾燥した晴天の⽇が多いのに対して、津軽(つがる)地域では⽇本海からの湿った⾵により⼤雪となります。夏、県南地域は太平洋からの冷たい⾵(ヤマセ)の影響で低温・多湿の⽇が、津軽地域では⽐較的夏らしい⽇が多くなります。
⻘森県の⼈々は、地域ごと、季節ごとに移り変わる⾃然とともに暮らしています。本州最北端ならではの、⻑く厳しい冬、⽣命の息吹を感じる春、エネルギーあふれる夏、⾊とりどりに輝く秋。四季折々の美しい⾃然が、がまん強く、まじめで世話好き、⼈⾒知りな⼀⽅で打ち解けるとすぐ会話が弾むといわれる素朴で温かな⼈柄を育みます。

⻘森県の⾵⼟を醸してきた酒造業界の⼈々

⻘森県の⾵⼟を醸してきた酒造業界の⼈々

⼈(蔵⼈)

酒づくりは農閑期である冬に農家の⼈々が蔵⼈として働き、⽀えてきました。この伝統を継ぐ六花酒造(ろっかしゅぞう)で、蔵⼈を統率し、酒づくりを⾏う杜⽒を務めているのが河合貴弘(かわいたかひろ)さんです。「農家の⼈って本当に働きもので。りんごや⽶だけでなく、その間にも作物を育て、冬は酒づくり。休みなしだって、笑っているんですよ」。六花酒造では毎年10⽉20⽇から4⽉末まで⽇本酒をつくり、酒造期が終わる5⽉から焼酎、リキュールを製造しています。原材料も製法も異なる、数⼗種類もの多種多彩な酒づくりを⾏うのは、わずか15名。そのうち社員スタッフは河合さんも含め4名で、⼤部分は季節雇⽤の農家の⼈々です。
「何かにチャレンジするときは、⾃分の想いを伝えて、“どう思う?”とみんなに訊くんです。意⾒を出し合って、新しい酒をつくっています」。⻑い⼈では20年にもなるというベテラン蔵⼈との強い信頼関係と無駄のないチームワーク、経験による⾼い技術⼒で醸す酒は国内の鑑評会はもちろん海外でも⾼く評価されています。
「他の蔵と、それぞれのやりかたを情報交換するのも楽しみですね。同じ酒⽶や酵⺟でも、蔵によって味が違うのが⽇本酒の⾯⽩いところです」。蔵⼈との和や蔵同⼠の交流が⻘森県の⽇本酒の味わいを⾼め、深めています。

*六花酒造株式会社*
住所/⻘森県弘前市向外瀬字豊⽥217
電話番号/☎0172-35-4141
六花酒造株式会社ホームページ

六花酒造の杜⽒を務める河合貴弘さん

六花酒造の杜⽒を務める河合貴弘さん

六花酒造の酒造りを担う蔵⼈たち

六花酒造の酒造りを担う蔵⼈たち

仕込みの様⼦

仕込みの様⼦

仕込みの様⼦

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