陸奥湾環境調査情報  
                                             平成16年11月 9日
                                               水産総合研究センター
                                             増養殖研究所    
                                             電話 017(755)2155

  今年実施した底質調査(7月6〜7日、9月6,16日実施)及び貧酸素監視のために、10月4日に実施した青森ブイでの 臨時水質調査の結果がほぼ判明しましたので、その調査内容と結果の概要をお知らせします。


 
水質調査結果
  10月4日の青森ブイ地点での15,30,34,40,46,48mの溶存酸素量は、5.7〜7.5mg/Lの範囲で、全観測層で夏季の酸  素量が低下する時期の底層の最低値の4.3mg/Lを超えており、調査時点では貧酸素または低酸素状態は認められ  ませんでした。
  しかし、東湾ブイの観測結果では、 その後10月16日から再び低酸素状態が確認されました。
  その後海水の鉛直混合が底層まで達したため、10月23日以降酸素量は回復しています。

 底質調査結果
  ILは1.9〜9.8%、TSは0.01〜0.27 mg/g、CODが3.2〜37.9mg/g、含泥率が2.8〜73.7%の範囲で、図に示したとおり、  全項目とも平成8年からの調査結果の変動範囲内であり、湾全体での有機的な汚染の進行は認められませんでした。
  また、沿岸寄りの調査地点であるSt.7,8,9では変動の大きいTSを除き、低い値で推移しています。


調査地点

調査項目   ( )内は日本水産資源保護協会「水産用水基準2000」の基準値               

IL     :海底泥の強熱減量、堆積物を高温で加熱した際に燃える有機物の量。
TS     :海底泥中の全硫化物量。(0.2mg/g乾泥以下)  
COD   :海底泥中の有機物量。(アルカリ性法で20mg/g乾泥以下)    
含泥率 :海底泥の63μm以下の泥粒子の重量百分率、細かい泥には有機物が多い。

※これらの4項目は全て底質の有機汚染の指標で、数値が高いほど汚染が蓄積しているといえます。







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