ホタテエラカザリ(Pectenophilus ornatus)
ホタテエラカザリの成熟した個体は黄色から橙黄色の体色を示し、平柿形をして体側部は花びらのように5葉に分かれています。体表面は付属肢を欠き、背面に1個の出産孔があり、最大個体は体幅が8mmに達します。小型個体(体幅2mm未満)は球形で、まだ出産口を閉じています。この寄生虫のユニークなところは、雌が370〜500μmの雄を体内に1〜数個抱えています。名前の示すとおりホタテガイの鰓の表面に寄生して、ホタテガイの血液を吸って生きていることです。ホタテエラカザリは学名をPectenophilus ornatusといい、Pectenophilusは「ホタテガイを愛するもの」、ornatusは「鮮やかな体色」を意味します。和名のホタテエラカザリは、ホタテガイの鰓を飾る美しい寄生虫であることから名づけられました。
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ホタテガイの鰓に寄生しているホタテエラカザリ | 中央に出産孔がありホタテガイの皮膜で 覆われている |