［資源管理体制・機能強化総合対策事業(資源管理に必要な情報の提供)］
浅海定線調査　陸奥湾定線の観測結果報告

陸奥湾の5月の海況概況
　　　　　　　　　　　　（2004年 5月19,20日 観測）

(実　況）
　透明度は14〜21mの範囲であった。
　水温、塩分は、それぞれ表層（5m）で9.9〜12.0℃、32.53〜33.61、中層(20m)で9.5〜11.8℃、32.58〜33.73、底層（海底上2m）で7.4〜10.4℃、33.33〜33.84の範囲であった。

　水温の水平差は0m層〜20m層で1.7〜2.3℃、30m層〜底層で3.0〜4.2℃で30m層で最大、鉛直差は湾口部のSt.A,Bで2.3〜2.9℃、西湾側のSt.1,2で1.4〜1.8℃と比較的小さく、湾央部から東湾にかけてのSt.3〜6では3.3〜4.1℃であった。

塩分の水平差は0m層と底層で0.5と小さく、そのほかの観測層では1.1〜1.2、鉛直差は湾全体で0.8〜1.3の範囲であった。

　溶存酸素量は、8.1〜9.3mg/L(飽和度90〜103%)の範囲で、底層では湾央部のSt.3で最も低く、St.1〜3、St.5で9mg/L未満(飽和度85〜94%)であった。

　水温、塩分とも西高東低の分布を示しており、湾央部から東湾にかけての底層に水温7℃台の水が、また東湾側のSt.4〜6の20m層以浅には塩分32.6以下の水が分布している。

(前回差）（前回4月15,16日調査）
透明度はSt.Aで前回差-3m、St.2,3で前回並みのほかは前回より高く、St.1,Bは+2〜+3m,St.4〜6は+6〜+9mで、St.4で最大であった。

水温は、St.Bの底層で前回並みのほかは、全調査地点の全観測層で前回より0.9〜5.2℃上昇し、特にSt.1〜6の20m層以浅では前回より4℃以上昇温した。

　塩分は、湾口部のSt.A,Bの全観測層とSt.1の0m層、St.2,3の5m層以浅及びSt.4〜6の30m層以浅で前回より低下、St.Aの0m層で前回差-1.28で最大、そのほかは前回差-0.13〜-0.57の範囲。これより下層では、前回並みまたは前回より上昇し、St.4の底層で前回差+0.59で最大、St.3の30m層で+0.57と差が大きかった。このほかは前回差-0.1〜+0.43の範囲であった。

　溶存酸素量は前回差-0.3〜-1.6mg/Lの範囲でSt.2の底層で最大であった。

(平年差）(平年値は1972〜2003年の観測値の平均値)
透明度はSt.1で平年並みのほかは、平年差+3〜+6mで、St.2,3でやや高め、St.4〜6でかなり高めであった。

　水温は、St.1,2の20m層以深で平年よりかなり高め(平年差+1.1〜+1.8℃)、St.1の5m層〜10m層でやや高め(平年差+0.6〜+0.7℃)のほかは、概ね平年並み(平年差-1.0〜+0.6℃)であった。

　塩分は、St.1,2の0m層とSt.3〜5の5m層以浅で平年よりやや低め(平年差-0.3〜-0.6)、この下層は、St.2は10m層まで、St.3は20m層まで、St.4〜6は30m層までかなり低め(平年差-0.4〜-0.6)のほかは概ね平年並み(平年差-0.1〜+0.2)であった。

水温・塩分の水平分布及び鉛直分布図