［資源管理体制・機能強化総合対策事業(資源管理に必要な情報の提供)］
浅海定線調査　陸奥湾定線の観測結果報告

陸奥湾の6月の海況概況
　　　　　　　　　　　　（2004年6月9,10日 観測）

(実　況）
　透明度は7〜17mの範囲であった。

　水温、塩分は、それぞれ表層（5m）で13.8〜15.3℃、32.24〜33.01、中層(20m)で10.6〜15.0℃、32.42〜33.59、底層（海底上2m）で8.2〜13.7℃、33.12〜33.83の範囲であった。

　水温の水平差は0m層〜10m層で1.5〜2.6℃、20m層〜底層で4.4〜5.7℃で40m層で最大、鉛直差は湾口部のSt.Aで最も小さく1.6℃、東湾側中央部のSt.4で最大で9.2℃で、そのほかの調査地点では4.7〜6.6℃の範囲であった。

　塩分の水平差は20,30m層で1.1〜1.2と大きく、そのほかの観測層では0.6〜0.8の範囲、鉛直差は湾全体で0.8〜1.4の範囲で、St.Aで最小であった。

　溶存酸素量は、7.7〜9.8mg/L(飽和度84〜112%)の範囲で、底層では湾央部のSt.3で最も低く、そのほかはSt.4を除いて9mg/L未満(飽和度91〜98%)であった。

　水温、塩分とも西高東低の分布を示しており、東湾北側の底層に水温9℃未満、塩分33.3以下の水が残っている。また、湾口部寄りのSt.2の40m層にはその上層より高塩な水が分布し、これを中心として湾外水由来の塩分33.5以上の水が湾央部のSt.3の20m層以深に分布している。

(前回差）（前回5月19,20日調査）
透明度は全調査地点で前回より低下(前回差-8〜-2m)し、湾口部東側のSt.Bで前回差が最大であった。

水温は、全調査地点の全観測層で概ね前回より上昇し、特に10m層以浅では前回差+2.7〜+6.2℃の範囲であった。20m層以深では、St.1のみ前回差+1℃未満で、そのほかの調査地点では、前回より1〜3℃程度上昇した。

　塩分は、湾口部のSt.Aの0m層で前回差+0.4、湾央部のSt.3の10〜20m層で+0.2〜+0.7、東湾南側のSt.6の30m層で+0.7のほかは、前回並み〜前回差-0.6の範囲。

　溶存酸素量は底層ではSt.2で前回差+0.6mg/?、St.4,5で前回並み、St.1,3,6で前回差-0.4mg/?であった。

(平年差）(平年値は1972〜2003年の観測値の平均値)
透明度はSt.1,2で平年差-4〜-6mで平年よりかなり低め、St.3でやや低め、St.4,5で平年並み、St.6でやや高めであった。

　水温は、10m層以浅ではSt.4の0m層で平年よりかなり高め(平年差+2.1℃)、St.1の0〜5m層でやや高め(平年差+0.9〜+1.1℃)のほかは平年並み、20m層以深ではSt.2,3の20〜40m層とSt.6の30m層でやや高め(平年差+0.8〜+1.3℃)のほかは平年並み〜やや低め(平年差-1.1〜+0.4℃)。

　塩分は、10m層以浅では平年よりやや低め〜かなり低め(平年差-0.39〜-0.70)、20m層以深ではSt.2,3の20〜40m層とSt.1,6の底層付近で平年並み(平年差-0.12〜+0.10)のほかはやや低め〜かなり低め(平年差-0.73〜-0.16)。

水温・塩分の水平分布及び鉛直分布図(6月）