［資源管理体制・機能強化総合対策事業(資源管理に必要な情報の提供)］
浅海定線調査　陸奥湾定線の観測結果報告

陸奥湾の6月の海況概況 　　　　　　　　　　　

　 　　　　　　　　　　　　　　　　（2005年6月7,8日 観測）

(実　況）

　透明度は11〜20mの範囲でした。 　
　
　水温、塩分は、それぞれ表層（5m）で11.9〜13.2℃、32.30〜33.71、中層(20m)で9.7〜12.7℃、
32.35〜33.89、底層（海底上2m）で6.3〜10.8℃、33.41〜34.01の範囲でした。 　

　水温の水平差は5m層以浅で1℃台、10m層以深では底層で4.5℃、30m層で3.9℃と大きく、
そのほかは、2.3〜3.0℃の範囲でした。
　
　鉛直差は湾央部のSt.3で7.0℃と最大、東湾側のSt.4,5でも5℃台と大きく、
そのほかは2.7〜3.4℃の範囲でした。

　塩分の水平差は20m層以浅で大きく1.36〜1.54、それより下層で0.6未満でした。

　鉛直差は湾口部のSt.Aでもっとも小さく0.35、このほかは0.85〜1.54でした。

　溶存酸素量は、底層では8.1〜8.8mg/L(飽和度84〜93%)の範囲で、全調査地点で9mg/L未満でした。

　高温高塩の外海水は、湾口部から西湾中央部までは、中層から底層まで分布しています。

　この外海由来水は、湾中央部ではSt.3の底層に水温6℃台、塩分33.5未満の低温低塩の
陸奥湾冬季固有水が残っているため、
この上層に分布しています。

　さらに、外海由来水は、東湾南側では底層付近まで達しています。

　また、5月30日〜6月2日の北海道大学の調査結果からは、

東湾北側では15m層付近にごく薄い層の外海由来水の流入が認められました。

　(前回差） （前回5月11日調査・St.A,B欠測）

　透明度はSt.4,6でそれぞれ前回より5,7m上昇そのほかは概ね前回並みでした。

　水温は、St.3の底層で前回差-1.1℃のほかは、全調査地点の全観測層で前回より上昇し、
5m層以浅では前回差+3.7〜+4.9℃と上昇が大きく、底層付近では、
St.4の40m層とSt.6の底層で前回より4℃以上上昇しました。

　このほかは前回差+1.0〜+3.2℃の範囲でした。 　

　塩分は、St.2,3の底層で前回より0.08低下したほかは、前回より上昇し、
St.2の20m層、St.4の30m層、St.6の30m層と底層で前回差+1.0以上でした。

(平年差）　(平年値は1972〜2004年の観測値の平均値)
　
　透明度は西湾側で平年差-2〜-3mで平年よりやや低め、
東湾側でSt.6で平年差+5mでかなり高めのほかは平年差-2〜+2mで平年並みでした。

　水温は、St.1,2の30m層以深とSt.4の40m層、St.6の底層で平年並み (平年差-0.7〜+0.1℃)のほかは、
やや低め〜かなり低め(平年差-3.2〜-0.7℃)で、
湾の中央部の底層と、東湾側の上層で低めの度合いが大きくなりました。 　

　塩分は、湾口部寄りのSt.2では平年並み〜かなり高め(平年差-0.27〜+0.33)で、
このほかは20m層以浅では、やや低め〜かなり低め (平年差-0.70〜-0.16)、
この下層ではSt.3の底層 (かなり低め・平年差-0.35)のほかは平年並み〜やや高め (平年差-0.03〜+0.24)でした。

　

　　　　　　　　水温・塩分の水平分布及び鉛直分布図
　　　　　　　　　　　　(2005年6月7,8日観測)