浅海定線調査　陸奥湾定線の観測結果報告

陸奥湾の10月の海況概況 　　　　　　　　　　　

　 　　　　　　　　　　　　　　　　（2005年10月4,5,6日 観測）

(実　況）

　透明度は11〜17mの範囲でした。

　水温、塩分は、それぞれ表層（5m）で20.7〜21.1℃、33.16〜33.60、中層(20m)で20.7〜21.1℃、
33.16〜33.60、底層（海底上2m）で14.0〜21.1℃、33.18〜34.30の範囲でした。

　水温の水平差は20m層以浅では0.4℃と小さく、30m層で1.0℃、40m層で2.8℃、底層で7.1℃と
30m層以深で大きくなりました。

　鉛直差は湾口部〜湾中央部にかけてのSt.A,B,2,3で4.4〜7.0℃と大きく、西湾側南部のSt.1で2.1℃、
東湾側のSt.4〜6では0.4〜1.0℃でした。

　塩分の水平差も水温同様、20m層以浅では0.41〜0.44と小さく、30m層〜底層にかけて
0.55〜 1.1の範囲で底層で最大、鉛直差はSt.6で0.02と最小、そのほかは0.50〜0.92の範囲で、
St.3で最大となりました。

　溶存酸素量は、湾全体で4.4〜7.4g/L(飽和度59〜102%)となり、底層では、
St.3で5.7mg/L(飽和度72%)、St.5で4.4mg/L(飽和度59%)と湾央部〜東湾北部にかけて
低酸素状態がみられました。

　水温、塩分とも30m層まではほぼ均一となっていますが、その下層では成層状態を保っており、
鉛直混合が遅れている状態です。

　湾央部付近のSt.2,3の底層には前月に続き、水温16℃台、塩分34.1以上の
低温高塩水の分布がみられています。 　

　

　(前回差） （前回9月12,13日調査）

　透明度は、St.A,B,3,4で前回並のほかは前回より3m以上低下し、
St.1の前回差が-7mで最大でした。

　水温は、St.3〜5の底層で前回より1.3〜2.6℃上昇したほかは、30m層以浅で概ね2℃以上低下、
これより下層では湾口部のSt.A,Bのほかは前回並または1℃内外低下、
湾口部ではこれより大きく低下しました(前回差-6.8〜+0.2℃)。

　塩分は、湾口部の40m層以深とSt.2,4の底層で前回より上昇(前回差+0.2〜+0.5)したほかは、
概ね前回並〜やや低下(前回差-0.38〜+0.15)しました。

　溶存酸素量は、St.3,5の底層(前回差-1.1〜-1.7mg/L)で低下したほかは前回並または
前回より上昇(前回差-0.3〜+3.1mg/L)、特にSt.4の底層で大きく上昇しました。


(平年差）　(平年値は1972〜2004年の観測値の平均値)
　

　透明度はSt.1,2で平年よりやや低め(平年差-2m)のほかは、
平年並み〜やや高め(平年差+1〜+2m)でした。 　

　水温は、西湾側のSt.1〜3の底層付近で平年並〜やや低め(平年差-1.1〜+0.4℃)のほかは
やや高め〜かなり高め(平年差+0.8〜+2.1℃)で、特に30m層以浅では全調査地点で
平年を1.5℃以上上回りました。

　塩分は、St.1〜5の底層付近で平年よりやや高め(平年差+0.15〜+0.30)のほかは
平年並〜やや低め(平年差-0.21〜+0.12)でした。


　

　　　　　　　　水温・塩分の水平分布及び鉛直分布図
　　　　　　　　　　　　(2005年10月4,5,6日観測)