スズキ目
ボラ科 カマス科 スズキ科 キントキダイ科 キス科 アマダイ科
アジ科 シイラ科 タイ科 イシダイ科 ウミタナゴ科 ベラ科
ハタハタ科 イカナゴ科 マカジキ科 メカジキ科 サバ科 タチウオ科
イボダイ科 ハゼ科 タウエガジ科 ニシキギンポ科 ゲンゲ科
ボラ科
ボラ、
メナダ、
セスジボラの3種が知られている。セスジボラは南方のものであり偶来種である。ボラ、メナダともに陸奥西湾では寒さが厳しい年の冬から春先にかけて低温麻痺しかかったものを浅瀬で見かけることがある。陸奥西湾の冬はボラにとってはギリギリの環境といえる。
日本中部海域では毎夏、10cm程に成長した子ボラが真っ黒な群れをなして河口に集まり、岸壁に生えた藻類を食んでいるのが風物詩であるが、青森では特に暑い夏の年にしか見られない。
寒ボラの刺身は頂けるが、その他の季節のものは泥臭く敬遠される。
ボラは俗に白眼、メナダは赤眼といわれる。ボラには脂瞼があり薄く濁っているが、メナダには脂瞼がなく赤いためである。メナダの方がずっと大きくなる。
長崎では成熟したボラの卵巣の塩干品である有名なカラスミを製する。本県では成熟しない。
地方名:ボラ:シロメ(一般)、シロボラ(後潟)、ミョウゲツ(八戸)
メナダ:アカメ(一般)、アカボラ(後潟)
カマス科
アカカマス
8月半ば全長15cm程に成長した幼魚の群れが湾内に入って来る。毛鈎で面白いように釣れたものである。湾内では暑い夏に魚影が濃く、そうでない年には殆ど姿を見せない。もちろん、日本海からの幼魚の来遊である。本県では成魚は殆ど見られない。日本海では定置網によく乗る。全長50cmに達する。
開いて軽く塩をしたものを一夜干したものの塩焼きが良い。
地方名:カマス(一般)、オニカマス(牛滝)
スズキ科
スズキ
十三湖水戸口など、夏の夜釣りで大物狙いの釣客で賑ったものである。本種は川岸のすすきが白い穂を風になびかせる秋口、河川に入ることがあり、夕暮れ時、川面にジャンプしているのがよく見られる。産卵期は晩秋から初冬と思われるが、本県沿岸で産卵しているかどうかは未確認である。 ハナオ(ハネオ)−ハネゴ−スズキ(日本海)、スナバ−セイゴ−スズキ(八戸)と、出世魚である。
姿、形が魚の中の魚という意味で現生種の中で最も多彩な分化が見られる分類群であるスズキ目の名前に冠せられる名誉を持つ。釣り上げる最後の瞬間に鰓蓋を大きく膨らませてジャンプして前鰓蓋骨に発達した棘で糸を切ろうとする。これをスズキの鰓洗いと称する。釣マニアにはこたえられない瞬間であろう。
夏が旬であり、洗いにして良い。有名な奉書焼は宍道湖産を用いた松江の名物料理である。
オオクチイシナギ
一般にはオオヨである。全長2mを越す巨魚である。これまでの最大記録は三厩漁協で昭和30年代に釣り上げられた167Kgという。こういう大物は近年見られない。
日本全国に分布し、南日本では水深500mもの深海に産するが本県では100m程度である。7月、産卵のため水深30-50m程の浅瀬にやって来るが、この時が1本釣の盛期となる。小型のヒラメ、アイナメ、ヤリイカなどの活餌を用意して巨大な鈎に付けて釣り上げるのである。龍飛岬周辺の根が好漁場となっており、大物は船に引き揚げられず、口にロープを通して港まで曳航して持ち帰るという。大物は例外なく雌であり、漁獲されるものの殆どは雌であるという。性転換の可能性も秘めた謎の多い魚である。釣り上げると、鰓蓋を目一杯膨らませ、背鰭、臀鰭の棘を立てて暴れるため危険である。
稚魚期には体は尾部を除き全身真っ黒であり、砂浜海岸の汀線付近で漂流浮遊物に紛れるという変わった擬態習性がある(塩垣,
2000)。 本県沿岸では8-9月に全長43-89mmに成 長した幼魚が水深10m以浅の沿岸域で桁網に
よって採集される。成長は著しく、満1歳で全長20-30cm近くに達する。
肝臓にはビタミンAが多量に含有されており、多く食するとビタミンA過剰症となるので注意が必要である。昔は、肝油の原料として取引された程である。
三厩では解体した肉を切り分けて売り捌くが、村民はこれを冷凍しておき、客があった時刺身にして供するという。それ位、資源が枯渇してきた。小泊村では魚の中でこれくらい旨いものはないと評価が高い。
地方名:イシナギ(一般)、オヨ、オオヨ(一般)、デンボウ(鰺ケ沢)

写真 オオクチイシナギ.
三厩村竜飛産.
吊り上げ計測中のオオクチイシナギ.
7月が漁期でほとんどはメスである.
アラ、
アカムツ
主に、日本海〜太平洋沿岸の底曳、1本釣で稀に漁獲されるものである。何れも大形のものは少ないが刺身で賞味される。
アカムツ(地方名:口内奥部が黒いことからノドグロ)は日本海での高級魚の1つである。
キントキダイ科
チカメキントキ
本科に属するキントキダイはごく稀なものであるが、本種はやや普通に産する。全長30cm以下のものが殆どであるが、東シナ海では60cmにも達する。体は側偏し赤く、眼が著大で吻端に近い。腹鰭は大きく腹鰭膜は漆黒色で、腹部と鰭膜で繋っており、扇形に開く。 煮つけ等にされるが、本県ではあまり利用されないようである。
地方名:キンメ(三厩、牛滝)
キス科
シロギス
日本海の砂浜海岸で夏の投釣りの好対象魚である。夏場には陸奥湾にも入って来る。
体は円筒形で吻が長く、口は下位で小さい。砂地の小エビ、ゴカイ類など底すれすれを群れをなして索餌している。背面は砂地に似て薄い飴色、腹面は銀白色であり、潜ってみなければその存在はわからないほど、砂地に適応した魚である。全長25cmに達する。単にキスと称する。
塩焼、天ぷらなどで賞味する。三枚に卸した中骨を唐揚げにするのも良い。
地方名:カマス(鰺ケ沢)、キス(一般)
アマダイ科
アカアマダイ
体は側偏し、吻が長く口は下位で、眼は高位。眼と口が著しく離れており、四角張った特異な風貌をしている。体色は黄色がかった赤で優美な色彩である。外国ではタイルを連想させるのかtilefishである。本種はアマダイ科の中で最も北にまで分布する種で、本県日本海南部が北限に相当するが稀に牛滝でもとれることがある。岩崎、深浦では漕刺網という一風変わった漁法でとる。本種が泥底に縦穴を堀って穴居生活を送るという変わった習性から考案されたものである。全長40cm。
肉は柔らかく、上品な白身であることから、吸物、塩焼、味噌漬、粕漬などで賞味される。特に、上方の京、大阪では重宝される。
地方名:アマダイ(日本海)
アジ科
本県沿岸で21種もの多くのアジが知られている。この中で産業的価値を有するものはブリを第1に、ヒラマサ、カンパチ、マアジが挙げられるが後の3種は量的には僅かなものである。
ブリ
ソッコ(ショッコ)−フクラゲ−イナダ−ワラサ−ブリと続く出世魚である。南日本で生れたものが流れ藻に付随しながらモジャコとなって北上を続け、全長10cm前後のもの(ソッコ)が初夏の頃、本県日本海に姿を見せる。北上しながら成長し、晩秋とともに南下回遊を繰り返す。有名な産卵場は長崎県沖合の東シナ海に浮かぶ男女群島で、ここでは4月にブリ落し網で産卵のため来遊した大ブリがとれる。大戸瀬、深浦の定置網では初冬に南下中の寒ブリの大漁があり濱が大賑いする。この寒ブリは北陸、関西では正月用の高級魚であるが、本県ではあまり高値がしないのは残念である。本種の天然稚魚であるモジャコを養殖したものがハマチである。
刺身、塩焼、照焼、煮つけ何でも良い。
ヒラマサ
体はブリより一回り側偏しており、体側中央を縦走する黄帯が鮮明である。また、上顎後端背縁はブリで直角に近く鋭いが、丸みを帯びる。ブリほど多くはないが、夏が旬である。旬が夏の魚は少なく、その意味で貴重である。
マアジ
アジ科の中では最も普通の魚種である。ゼンゴと称する固い鱗が側線全域に発達しているところから容易に区別出来る。 成魚では全長40cmにも達するが、本県沿岸ではせいぜい10数cm程度の当歳魚しかとれない。近年の温暖化により、夏から秋にかけて定置で漁獲されるようになったが、イワシの代用品として焼干に利用される位である。
シイラ科
シイラ
盛夏の頃、トビウオがとれだすと、シイラも姿を見せる。側偏した黄色の体に、眼も覚める青緑色の斑点を散らした美麗な魚であるが、死ぬと色が褪める。額が広く、特に雄ではオデコである。本県では大きくても1m程度であるが、南日本では全長1.8mもの大物 となる。山陰沖ではシイラ漬漁といって、孟宗竹で組んだ筏を浮かべて、陰に集まった群れを巻網で一網打尽に漁獲する勇壮な漁法がある。夏から秋にかけて、サバ釣の外道として曳釣によくかかる。
鮮度の良いものは刺身で食べるが、長崎では生臭みを消すため唐辛子を用いる。一度焼いたものを煮つけとするのも良い。
地方名:シラ(下北、八戸)、シェラ(三厩、脇野沢)、シイラ(一般)
タイ科
チダイ、
ヒレコダイ、
マダイ、
クロダイ、
キチヌの5種が知られるが、重要資源としてはチダイ、マダイ、クロダイの3種である。
チダイ
マダイに良く似ており一般の人は区別しない。しかし、マダイに比べて体高がやや高く、後頭部から始まる体背縁のカーブがマダイのようになだらかではなく、やや突出する。体色はマダイより明るい朱色で、特に鰓蓋の上半部は血のように赤い。最も簡単な区別点は尾鰭後縁部が黒くないことである。
産卵期は秋とされ、初夏のマダイより遅い。
日本海から津軽海峡西部沿岸に普通であるが、マダイよりも産額は少ない。料理法はマダイと変わらないが、最大全長35cmとあまり大きくならない。
地方名:ハナダイ(日本海〜牛滝)
マダイ
近似のチダイとの違いは既に述べたが、体背縁のなだらかな曲線といい、タイ類の中ではやはり品格がある。図鑑等には記述が見られないが、臀鰭後縁から尾鰭後縁下部にかけては青白い。胸鰭は頭長よりも長く、これを左右に伸ばしてブレーキをかけたり上昇・下降の舵の役目に用いる。
平年であれば、日本海から陸奥湾、大間までしか分布しないが、近年の温暖化により分布域が拡大し、下北でも見られるようになった。特に、陸奥湾では初夏の頃から魚影が濃く資源が上向きとなった。
一般の人は海の中でもタイは赤いと思っているようであるが、実は赤い色は水中では水深とともに急速に衰え、深さ10m位でも、砂
色となり体側の瑠璃色の斑点はただ白く見えるだけである。海中では目立たない保護色となっている。
最大全長1mを越すが、本県で見られるも のは大きいもので50〜60cm前後である。 タイの銘柄は通常の特大、大、中、小以外に1.5Kg未満の小型のもので細かい規格があ
り所によって呼び名もまちまちである。それだけ、小型のものでもそれぞれの用途があり、区別する必要があるのである。ササダイ、スズタイ、半1、半2などと称する。
マダイはその姿が良いことから姿焼きが好まれ祝いの膳用として欠かせない。刺身、塩焼き、酒蒸し、鯛茶漬け、ちり鍋、鯛ご飯、潮汁など多彩である。
マダイで特記しておく必要があるのは昭和59年の春先、全国的な異常冷水騒ぎがあり、養殖カンパチ10万尾の大量死(高知)、瀬戸内では養殖マダイの仮死状態(香川)、養殖シマアジの凍死(白浜)など2月頃平年の水温を2℃前後低下したためである。この年3-4
月に、 津軽海峡に面する龍飛漁協から今別東部漁協にかけて、海面に浮上して仮死状態となったマダイが漂流しているのが発見され、漁業者はタモ網ですくい取ったものである。建網で漁獲されたものと合わせて4月だけで計5トンの漁獲となり時ならぬタイ漁に浜は沸いたものである。主体は1.5-3Kgの中タイ
であった。
この時の表面水温は平年で7℃のところ、2℃低い5℃であった。マダイは7-8℃以下で低温麻痺し、浮袋が膨れて浮上するのである。この事件で、海峡深部に越冬するマダイがいることが実証されたといわれたものであるが、実際の所、本県日本海で越冬中のものが弱って海峡に入ってきて浮上した可能性もあり、どちらが正しいか難しい問題である。この時、海峡沿岸部でマダイの外に被害に遭ったものはエゾアワビ、サザエがあった。特にサザエは全滅状態となり、回復まで年数を要した。
クロダイ
チダイ、マダイに比べて吻が短く、鋭く尖る。全身銀白色に輝き、赤いタイとはまた違った気品が漂う。
釣マニアの中でもクロダイ好きはその魅力にのめりこんだ釣キチである。その技術の難しさと釣果の少なさがますます虜にするのである。他のタイと異なり、用心深い性格からか、建網でも、まとまってとれることはまずない。陸奥湾では夏、大物が群れをなして浅所に来遊する。クロダイは20cm以下で雄として機能し、25cm以上で雌となる性転換魚として有名である。全長50cmに達する。
料理法はマダイと同様。
地方名:カワダイ(日本海)
イシダイ科
イシダイ、
イシガキダイの2種を産する。
しかし、いずれも幼魚あるいは未成魚のみであり、産業的価値は低い。日本海沿岸では秋頃、定置網に時として10-15cmの幼魚が大量
に乗網し投棄されることがある。岩崎〜鰺ケ沢では、全長25cm程度の未成魚が見られるが少ない。夏、泳いでいると黄色地に派手な縞模様の5cm程の若魚につつかれた経験を持つ人もあろう。好奇心が強く、また、気が強いため水槽で他の魚と一緒に飼育すると、いじめ殺してしまうので注意が必要である。
イシダイは一般にシマダイと称されるが、岩崎でカタコ、日本海沿岸でカタビラ、下北でシロダイともいう。
イシガキダイはイシダイよりも少ないが珍しくはない。 牛滝ではイシダイとイシガキダイとの天然交雑魚と考えられるものが漁獲されている。体の縞模様が両種の中間的なものとなっている(1988年1月13日漁獲、全長175mm:塩垣
,1990)。
ウミタナゴ科
ウミタナゴ、
オキタナゴの2種を産する。
ウミタナゴ
湾内では未成魚しか生息せず、外海の魚である。オキタナゴより体高が高く、全長30cm近くになる。ガラモ場など浅海で群泳し、アミ類など小甲殻類を捕食している。
初夏、深みから浅場に乗り込んで来た頃の岩場での磯釣の好対象魚である。磯釣はタナゴに始まると言われるほどである。
通常の遊泳では尾鰭を全く動かさず胸鰭のみを用いて、滑るような泳ぎ方をする。この点で、スズメダイ類やベラ類と似ている。初夏ないし夏に5〜6cmの幼魚を30尾余り産仔す
る。懐妊期間中は不味となる。肉質は柔らかで、塩焼きを最上とする。
地方名:マルタナゴ(深浦)、ススケタナゴ(下北)、タナゴ(一般)。
オキタナゴ
晩秋の頃、生れて3-4カ月にしかならない 10cmほどの当歳魚が群れて餌をついばんでいる時、2尾が体を寝かせながら重ね合わせ、一瞬キラリと光らせて別れるのが見られる。交尾行動である。黒っぽく、尾鰭上葉が長く伸びたものが雄で、この時、雌はまだ成熟していない。早春を待って受精した後、母体から栄養分を補給されながら5cm近くなるまで育つのである。
地方名:イナゴ(砂ケ森)、トウグチ、トクジ、トグチ(下北、八戸)、ナガタナゴ(深浦)、ニシャータナゴ(牛滝)、ホソタナゴ(牛滝)、クデ(龍飛)、クチボソ(脇野沢)
ベラ科
コブダイ、オハグロベラ、ササノハベラ、ホンベラ、
キュウセンなどを産するが、食用としてはコブダイ、キュウセンの2種である。
コブダイ
大形のベラで、全長1mに達する。成熟した雄では前頭部が瘤状に丸く突出し、異様な面相を呈する。日本海に多い。丈夫な歯で巻貝や、甲殻類を噛み割って食べる。あまり美味とは言えない。
地方名:カンダイ(一般)
キュウセン
コブダイとともに温帯域に適応した種で、本県で最も普通のベラ類である。群れをなして生活しているが、縞模様がくすみ全体に青っぽいのが雄であり、群れのリーダーである。雌は赤っぽく黒い縞模様がはっきりしている。群から雄を取り除くと、群れの中の大きいものが速やかに雄に性転換する。
三厩では籠に割ったウニを入れて群れを誘い込み、集まったところで蓋を閉めて漁獲する変わった漁法がある。ウニが大好物である。上磯では、煮干とし蕎麦などのダシ用に用いる。砂礫地を好み、夜間は体全体を砂礫中に潜らせて眠る変わった習性がある。水槽で飼ってみると、夜昼関係なく潜って休息するものもある。全長30cmに達する。
地方名:アオベラ(龍飛)、(アオ)ゲンパ(日本海)、デンパジ(鰺ケ沢)、シマメグリ、シマヨ、スナメグリ(上磯)、ネズミウオ(ヨ)(下北)
ハタハタ科
ハタハタ
秋田県男鹿半島に続く西海岸の岩崎から鰺ケ沢にかけてが本県の本場である。岩崎では色とりどりのブリコが海岸に打ち上げられたものであるが、昭和50年代後半から極端な不漁となった。
実は三厩、牛滝、陸奥湾などでも多くはないが漁獲されていた時代がある。現在でも、孵化直後の仔魚が陸奥湾内で採集されることがあり、どこかで密かに産卵されているものであろう。
昭和40年代には定置網を主体に1,000トンレベルの漁獲があったが、50年代に入り急激に減少した。近年は増加傾向にあり、平成15年の漁獲量は前年の2倍以上の579トンとなった。
イカナゴ科
イカナゴ
4-5月、湾口部、白糠などの沿岸浅所で夜 間電気を点けてシラス魚群を集め、棒受網で漁獲する。漁期初めの3cm未満の仔魚はチリ
メンと称し最も高値を呼ぶ。成長にともない、値段は下がる。5cmくらいに成長したコウ
ナゴはイワシ定置の袋網に細かい目合の網をかぶせて漁獲する。
昭和40年代は佐井では電照棒受漁法の導入と共に大豊漁が続き、一名コウナゴ組合と称された程である。漁獲されたものは直ちに釜煮してから干燥させて製品にする。大漁の後は寝る暇もない程の大変な作業であったという。最近は、佃煮用に生出荷もされる。
現在は資源が横ばい状態であるが、昔は沖に出ると他の大形の魚に追い上げられた魚群が密群となり海面から盛り上がって、容易にタモですくい取られたという。ダマと呼ばれた。ヒラメ釣に欠かせない活き餌として重宝された。現在、このようなダマは殆ど見られなくなったという。
冷水性の魚で、本県でも夏場は砂泥中に潜って夏眠するといわれる。
煮干、佃煮用の他は、大形魚は養殖魚等の餌料としての需要が大きい。
小型のものからチリメン−コウナゴ(小女子)−メロウド−ナガヨ−オオナゴ(大女子)と呼ばれる。佐井では親魚をカマスと称す。
マカジキ科
バショウカジキ、
マカジキ、
クロカジキ、
シロカジキの4種を産するが、バショウカジキを除き他は全て太平洋だけに分布する。次種メカジキは別科メカジキ科に属す。
昭和40年代頃までは突きん棒漁法で盛んに漁獲されていたが、最近廃れたようである。長さ5m、重さ4Kgの銛を船首に付けた突き台の上から投げ込んで仕留める原始的な漁法である。カジキ類は旗魚とも書くように、海面すれすれのところを遊泳する習性がある。種により、背鰭、尾鰭を水面上に出す出し方が異なっており、また、鰭の形態から種を判別出来るという。魚影を発見したら、全速力で近づき、銛を打てるだけ近づいて打ち込むのである。揺れる船上から正確に打ち込むには熟練を要した。マグロ延縄でも混獲される。
バショウカジキを除き何れも全長4mに達する。八戸地方で最も多いのはマカジキである。肉色の鮮やかなマカジキを最上とする。
地方名:マカジキ:マカ、オカ(八戸)
バショウカジキ:バショウ(八戸)、トビウオ、トビシイラ(陸奥湾)
クロカジキ:クロカワ(八戸)
シロカジキ:シロカワ(八戸)
メカジキ科
メカジキ
マカジキ科とは、腹鰭を欠くことと、剣状の上顎断面が扁平で著しく長い点及び尾柄隆起が1条である点で異なる。第1背鰭は高く鎌状を呈する。肉は白っぽく脂肪分に富む。肉を薄く切って塩漬けとし、後で酢をかけて食べる「切り漬」は八戸地方の名物で、口に入れるとトロリとして絶妙な味という。カジキ類中最大で全長4.5mに達する。
地方名:メカ、アブラボウ(八戸)
サバ科
サバ、カツオ、クロマグロなどを含む重要資源である。
マサバ、
ゴマサバ
ゴマサバはマサバよりも暖海性で体の断面が丸く、側偏するマサバと区別される。本県では太平洋沿岸での旋網による漁獲が大であり、定置網等でも漁獲される。
昭和40〜50年代がサバ漁の最盛期で、昭和53年には八戸で約45万トンもの史上最高の漁獲があり、旋網漁業の全盛期を築いた。漁場は道東海域から岩手県北まで魚群を追いかけて船団が移動して漁獲する。
八戸で漁獲されるサバは殆どマサバで、しかも、脂の乗った秋鯖であるところから極めて好評を博した。
しかし、昭和59年以降、漁獲量は数万トンと資源の低迷が続いている。加工業者は北欧産大西洋サバを輸入してしめサバ等の加工原魚としている。塩焼き、味噌煮、煮つけ、しめサバ、サバ寿司など。
地方名:マサバ:ツツサバ(大型)、ヒラサバ、ホンサバ(八戸)
ゴマサバ:マルサバ(八戸)
ヒラソウダ、
マルソウダ、
ハガツオ
ソウダガツオ類で丁度マサバとゴマサバの関係にあり、ヒラソウダは側偏形、マルソウダは円筒形である。夏の定置網に良く乗る。しかし、サバよりも鮮度が落ちやすく生き腐れとなるため魚価が安い。しかし、氷じめとして持ち帰ったものは充分刺身で賞味出来る。マルソウダは血合肉が多く、鰹節の代用品となる。何れも全長40cmほど。
ハガツオは多くはない。体背面に多数の縦縞があり、名前の通り、両顎歯、口蓋骨歯は強い。
地方名:ヒラソウダ:ヒラアジ(平舘)
マルソウダ:ガズ(鰺ケ沢、龍飛)、カツ(下北)、ソウダンポ(八戸)
ソウダガツオ類:フグラ、フグラッコ(八戸)、カツオ(平舘、下北)
ハガツオ:キツネガツオ(八戸)
カツオ
黒潮に乗って北上してきた群れは8月中旬から9月にかけて本県沖合に姿を現す。その後尚も北上を続けるが、親潮の南下と共に10月末には本県沖合から姿を消す。昭和の初め頃までは本県沖合でも1本釣で漁獲されていたが、その後群れが薄くなり今は廃れてしまった。
カツオと言えば初カツオがもてはやされてきたが、北の海で十分に脂を蓄えた戻りカツオ(下りカツオ)こそ本来のカツオの味であろう。南方で漁獲される脂の少ないものが大量に鰹節に加工されるのである。
地方名:カズ、ホンガツオ(八戸)
クロマグロ
一般にマグロと称される。名の由来は体が真っ黒であるところから来ている(真黒)。日本列島沿岸に産する唯一の大形マグロ類であり、また最も美味である。全長3mに達する。
明治30年代から大正時代にかけて本県沿岸ではマグロ大謀網で大盛況を呈した。最初に大謀網が成功したのは宮古の人福士喜伝治氏の尽力によるもので尻労と大畑の佐助川沖合に建て込まれたものであった。下北では大豊漁の記録があり、それを記念した碑が大畑佐助川と尻労に現存している。
近年では、大物を狙う海峡での一本釣漁や沿岸の定置で小マグロがとれる程度で往年のにぎわいはない。近年の大間沖でのマグロの最高値は平成12年12月29日漁獲の202s、1本2,020万円であった。この記録は史上最高値であり、今後も破られないであろう。近年の最大個体は平成6年12月釣獲の440sである。

写真 クロマグロ
津軽海峡産.
大間町漁協に水揚げされた300sあまりの大物.

写真 大畑町佐助川の鮪大豊漁記念碑(八大龍王).
漁の神様として現在も尊敬されている.裏面に碑文がある.
「八大龍王碑文」
佐助川ハ最良無比ノ鮪漁場、宮古ノ人福士喜伝治ノ撰定ニ繋ル、初メ山崎卯之助、河野栄蔵ノ使嘱ニ応シ、探険百万此地ヲ相シテ業ヲ開ク、時維明治三十二年陽春吉祥日也、爾来年次大漁ヲ累ネ、地方克ク其沢ヲ受ケヌ、亦永ク応ニ極リナカルヘシ、噫是斯業ニ熱中シテ造詣深ク、独特ノ妙見アルニ因ルト雖、亦洵ニ竜神殊恩ノ無量ノ致ス処、茲ニ恭シク奉祭シテ、長ヘニ加護ヲ仰クト云爾.
明治四十年五月樹也
「尻労鮪萬本祝碑文(八龍神 石碑)」
嗚呼偉ナル哉、尻労大謀網ノ豊漁ヤ実ニ山崎卯之助、村田鉄蔵、河野栄蔵ノ共同事業タリ、明治三十年之ヲ角網ニ首メテ次年大謀ニ更ム、福士喜伝治謀主タリ、福士氏ハ宮古ノ人夙ニ斯業ニ名アリ、某ノ来タルヤ字小歌沖ニ創設シ、再三流亡ノ厄ニカカリ、三十三年狐崎ニ移シ、苦心惨憺更ニヒヤ島ニ転シ、三十五年大漁ニ大漁ヲ累ネ、五月一日萬本ノ慶ヲ祝スルヲ得タリ、佐助川ソノ他最良ノ漁場ハ何レモ氏ノ撰定セル処ニシテ、本郡大謀ノ元祖ト謂ヒツヘシ、時維征露ノ大軍連戦連捷シ、吾等又連年ノ萬獲実ニ一国一家ノ大慶事、以テ大イニ誇ルニ足ルヘシ、茲ニ刻シテ氏ノ功業ヲ伝フ 征露二年五月(明治四十年)
タチウオ科
タチウオ
日本海沿岸で夏から秋にかけて定置、夜釣り等で混獲される程度である。また、本県でとれるのはせいぜい40〜50cmの小型のもので
ある。成魚では全長1mを越す。夏の夜、イカ釣などで沖に出た時、背鰭を波状に波打たせて体を垂直に立てて索餌している様子を観察出来ることがある。口は大きく、犬歯状の鋭い歯をもつ。体は扁平で無鱗である。昔、体表の銀白色の色素を模造真珠づくりに用いたという。
普通の魚と違って背鰭をよく動かすため背鰭基底の直下に血合肉がある。刺身に卸す際は皮つきとする。皮は固いが美しい造りものとなる。関西では、塩焼、ムニエル、焼きなます、煮つけなど好まれる。
地方名:カ(ガ)タナ(一般)、カタナバ(陸奥湾、下北)、ヨラリ(大間、鮫)
イボダイ科
メダイ
幼魚は浮遊物に付随する習性がある。30cmくらいから生活圏を次第に底層に移し、底曳網、鱈刺網、延縄等で漁獲されるようになる。本県では日本海で秋頃よく混獲されることがあるがやや稀である。肉は白身で脂が乗り刺身で美味である。
地方名:アブラボ(ウ)(鰺ケ沢)
ハゼ科
ハゼ科魚類は本来熱帯性であり、温帯に適応したもののみ本県に分布する。種数は多く、39種(内、淡水性5種を含む)を数える。この内、食用とされるものは少なく、マハゼ、アカハゼ程度である。全長10cm以下の小型種が殆どである。
食用とはならないが、第1背鰭を消失した退化傾向の強い小型のハゼでミミズハゼ属魚類について特記しておく。
コマハゼ、
ミミズハゼ、
オオミミズハゼ、
ヤリミミズハゼ、
ナガミミズハゼ、
ナンセンハゼおよび
カワリミミズハゼの計7種を算し、これらは殆どが本県日本海、佐井が北限となっている。カワリミミズハゼを除き潮間帯に生息するもので、中でも干潮時には空中に露出する上部潮間帯を好んで生息するものがある。オオミミズハゼ、ヤリミミズハゼ、ナガミミズハゼなどで、龍飛、牛滝の大荒川、茂浦などの波あたりの強い玉石が堆積した海岸の礫間で発見されている。皮膚呼吸が発達しているものであろう。
アカハゼ
内湾の泥深い処に生息するやや大形のハゼで20cm近くになる。シャコの刺網で混獲される。油川方面で「グンズ(ジ)ガサエビ集ばったて何出来るだば」という言葉がある。昔はグンズ、グジ(アカハゼ)、ガサエビ(シャコ)は沢山にとれ、市場価値があまりなかったことからものの役に立たないものという程の意味で用いられたという。ガサエビは現在花見に欠かせぬ必需品であるが昔はそれほどの価値あるものではなかったようである。
リュウグウハゼ
食用に供されるものではないが、陸奥湾では水深10m以浅の転石がある岩礁地帯に多産
する。普通のハゼと異なり、海底近くを遊泳していることが多い。透き通るようなピンク色の地肌に黒色の5横帯がくっきりと入っており北のハゼの中では最も優美なものである。陸奥湾以外では生息水深は深く(40〜80m)
、岸壁等で簡単に釣り上げられるのは陸奥湾位のものである。平成7年8月18日、しんかい2000で潜航した際、小泊沖西津軽堆の着底地点(水深81m)で1尾確認出来た。
早春に、転石の下に産卵し、真っ黒に二次性徴を現した雄親が孵化するまで守る。冬の間は、転石の下で身動きせず長い冬を冬眠状態で過ごす。
似たものにキヌバリがあるが、横帯は7本と多く、生息場は更に浅い。日本海、龍飛から湾内上磯〜大間に見られる。
キヌバリの地方名:ゴダロ(龍飛)、ワッカ、ワカ、アカヒャク(砂ケ森)、ハチマキ(牛滝)、ゴマヨ、トモヨ(佐井)

写真 リュウグウハゼ.
平内町茂浦産.陸奥湾ではごく浅い転石帯に多く見られる.優雅なピンクの体色は名前にふさわしい.
マハゼ
ハゼの中では比較的大形となる。全長20cm。 内湾や川口の汽水域に見られ、秋口に釣の対象となる。冬場に泥底に掘ったU字形の穴の中で産卵する。
東京湾でのハゼ釣りは有名で本種である。
天ぷらで賞味する。
タウエガジ科
本科魚類は北方系のもので18種が知られる。しかし、食用となるものは少なく、練製品の材料となるナガヅカ程度である。本科魚類の最大の特徴は背鰭が1基であり、軟条が退化して総て棘条からなる点にある。ダイナンギンポ属など例外的に後端に軟条を持つものがあるが、この点は型的なスズキ目魚類とは全く逆の配置となっており、棘条が軟条に先祖帰りしたものと考えられる。この特徴は本科を含むハダカオオカミウオ科、ニシキギンポ科、オオカミウオ科、ボウズギンポ科などのゲンゲ亜目魚類に共通する共有形質とされる。また、冬場に産卵し、産み出した卵を体で巻つけたりして大卵塊とし、雌雄が、多くは雌親が孵化するまで体で巻いて保護する習性がある点も著しい特徴となっている(塩垣、1993;
写真18, 24)。
ハナジロガジ
全県沿岸のガラモ場、コンブ林、アマモ場等に生息しており、胸鰭を用いて海底から泳ぎ上り葉体上の小甲殻類を捕食する。
本種の属するオキカズナギ属魚類は背鰭後端部のもののみ強い棘条であるが他は柔らかくしなやかな棘条からなる。型的なスズキ目魚類では背鰭前部に棘条が、後方に軟条が発達するが本種では全く逆の造りとなっている。和名は吻に馬の鼻面のような白斑があることから命名された。
陸奥湾では田植が終った頃、藻場を曳く藻曳網で本種が多獲される。食用の外、昔は湾内でのスズキ延縄用の活餌としても利用された。全体に骨が柔らかく、塩焼、天ぷら、唐揚げで骨ごと賞味される。蓬田では本種の塩焼は湾内の魚で最も旨いとの評価がある。全長20cmに達する。
陸奥湾では本種に似たものにガジ、オキカズナギがあるが稀である。
地方名:アブラガジ(湾内一般)、モガズ(ジ)(後潟、茂浦)

写真 ハナジロガジ.
陸奥湾産;上下ともメス.吻背面に白斑があり馬の鼻を思わせる.オキカズナギ属魚類はほかのギンポと異なり胸鰭を用いて泳ぎ上がり,体を立てて藻上の小甲殻類を摂餌する習性がある.湾内藻場に最も普通.
ニシキギンポ科
本科魚類は体が著しく側扁し、腹部が長く肛門が体のほぼ中央に位置する。著しい特徴は第4腹椎骨以降の腹椎骨の左右の肋骨が癒合して血管棘となっている点である。腹腔が長く消化管は真直ぐである。背鰭の棘は著しく強く手が切れるほどである。
ギンポ
ギンポと名のあるものに系統を異にする2分類群がある。1つは、熱帯を起源とするヘビギンポ科、イソギンポ科、コケギンポ科などのグループであり、2つには亜寒帯ないし寒帯起源の北方系ギンポ類である。名前がギンポと付いていることから一般の人には同じ系統の魚と思われがちであるが実は大違いである。
そもそも、ギンポは漢字で書けば「銀宝」であり、戦前までは東京方面でギンポウと呼んでいた。何故、「銀宝」であるのか?それは、その産卵生態にある。北方系のギンポ類は例外なく卵膜に粘着性があり、産み出された卵塊を雄あるいは雌親が体で巻きつけて1つの球状の大卵塊に整形し、孵化するまで守り続ける習性がある。発生が進んで発眼したものは全体に銀白色を呈する所から、親魚が身を挺して守り抜く卵塊を「銀の宝物」と見立てたものである。このことからも、昔の人は自然をよく観察していたことが知れる。
全県沿岸に産する。陸奥湾では沖合のホタテ養殖籠の中に初夏の頃よく入っており、味噌汁にぶつ切りを入れて食べる。通常は海底に潜って生活しているが、餌となる付着物の多い養殖籠はお気に入りで、深い海底から泳ぎ上りチャッカリ住家としたものである。
太平洋沿岸では12月頃、産卵のため平磯の岩場の穴に入っている処を夜潮が引いてからヤスで突きとる。この時、球形の乳白色の卵塊も発見されるがこれをガタの握り飯という(白糠)。全長30cmを越す。漁獲物は煮干しとし、保存しておいて蕎麦のダシに用いられる。
江戸前では有名な天ぷらだねとされるが、活魚でなければ味が落ちるという。旬は桜の花時という。
地方名:ガタナ(階上)、ガタ(白糠)、ガズナギ(一般)

写真 ギンポ.
陸奥湾産.全県沿岸に産するが,成長すると沖合に出る.陸奥湾では沖合のホタテガイ養殖籠をえさ場・すみかとしている.
タケギンポ
ギンポに酷似するが尾鰭後縁が白くないこと、背鰭の黒色斑が台形であり、三角形ではない等により区別出来る。生息場はギンポより浅く水深5m以浅の藻場や岩場であり、陸奥湾至る所で見られる。全長20cmと小型である。本種とギンポはシーボルトのファウナ・ヤポニカの記載以来、日本では約100年間混同されてきた。
食用としない。
和名の由来は体色が竹の皮を連想させる所から来ている。
ハコダテギンポ
本種は前2種とは退化的な1棘からなる腹鰭が全く消失している特徴がある。藻が繁茂した岩場に生息しており、特に緑のスガモ間に生息するものは全身鮮緑色に、褐藻類間に生息するものでは赤褐色と体色の2型を載せている図鑑が多い。
しかし、冬場の産卵期には雄では目から頬にかかる銀白色の帯が消失し、背鰭前部に眼径大の1個の瑠璃色の斑紋が現れることは知られていない。
ゲンゲ科
本科に15種が知られるが、殆ど深海魚である。
タナカゲンゲ
日本海深海に産する。全長1m近くになる大形のゲンゲである。本県では余り利用されていないが、山陰地方ではババアといい、鍋料理に用いられる。
地方名:ゴンダラ(岩崎)
ノロゲンゲ
日本海の底曳で混獲される。皮膚が寒天質で厚くぶよぶよしているが肉は白身で淡泊である。前種同様、本県ではあまり賞味されることはないようである。全長40cmあまり。
しかし、山陰地方ではズワイガニ漁で混獲され、冬の鍋料理には欠かせない(醤油仕立て)。鳥取でドギ、兵庫でトウロといい、寒天質の皮膚の独特の味わいは忘れ難いものである。
ページの先頭ヘもどる