H15年度研究成果

 平成15年度研究成果 

研究テーマ
 BAPペーストによるクロマツ雌性花序誘導試験(第2報)
要  約 
 クロマツの雌性花序増産を目的に、広島県において効果があることが報告されている BAPペースト処理によりクロマツ雌性花序誘導試験を行った結果、本県においても BAPペースト処理によりクロマツ雌性花序誘導効果が得られることが確認された。

 

研究テーマ
 里山広葉樹林の生物多様性調査(第2報)
トラップを使用した昆虫の調査手法について
要  約 
   里山広葉樹林の昆虫多様性調査に適したトラップの選択と、その調査方法を明らかにするために、平成14年度に引き続き、黒色と白色の衝突板式トラップとマレーズトラップを使用して調査を行い、捕獲された甲虫目及びカミキリムシ科の科や種及び個体数を調査した。
   その結果、マレーズトラップは1基設置で、衝突板トラップ12器分と同程度か、それ以上の科や種が捕獲されており、林分の甲虫相全体を把握するためには好適なトラップと思われた。しかし、マレーズトラップは捕獲された甲虫全体の中で、カミキリムシ科の占める割合が衝突板トラップよりかなり小さい。また、両トラップに捕獲される種にはそれぞれ特徴があることから、カミキリムシ科については、マレーズトラップと衝突板トラップの併用が望ましいものと思われた。

 

研究テーマ
多行松(Pinus densiflora form. umbraculifera)の種子特性
要  約 
  アカマツの一品種である多行松(タギョウショウ)の種子特性を調査した。球果が305個/kg、種子が134粒/gで、通常のアカマツに比較し小型であった。さらに、不稔種子の割合が高く、21日締め切りの真正発芽率も44%と低い結果であった。また、発芽勢が低く、畑地における秋季の苗高も6.0㎝と育種種子の苗高に比較し約70%の大きさであった。

 

研究テーマ
貝化石を利用した初雪たけ栽培試験
要  約 
 貝化石を栄養添加剤として使用し、初雪たけ栽培を行った。その結果、貝化石添加区の菌まわり日数が無添加に比べ短縮した。また、1回目の発生で、貝化石添加区が無添加区より子実体収量が1.6倍、発生本数が約1.5倍に増加した。2回目の発生でも、貝化石添加区の子実体収量と発生本数が無添加区より約2倍に増加した。また、貝化石添加区で発生した子実体中のカルシウム量も無添加区より増加した。栽培中の培地pHの変化は、貝化石添加区の培地調整時のpHが、菌糸伸張の最適pHになっており、貝化石が培地のpH調整剤として働いていたことがわかった。培地含水率の変化は、栽培にどのように影響を及ぼしているのかは、明らかにできなかった。 

 

研究テーマ
 木材の加熱処理技術の確立(第1報)
-スギ材の加熱処理について-
要  約 
  スギ材の高付加価値化を目的として、材を一定の温度・時間加熱して、材を暗色化させる処理(以下加熱処理)について検討したところ、以下の知見が得られた。
 1 加熱温度200℃において、明度の減少(暗色化)が最も顕著であることが分かった。
 2 加熱温度200℃における、加熱時間と明度の関係が把握できた。
 3 200℃で4時間以上の加熱処理の場合、未乾燥材でも乾燥材とほぼ同様の明度が得られることが分かった。
 4 処理により、心材と辺材の明度差が縮小する傾向が認められた。
 5 処理によりトビクサレ被害材の健全部と変色部の明度差が縮小する傾向が認められた。
 6 処理後90日間の明度は、ほとんど変化が認められなかった。

 

研究テーマ
県産材利用開発研究(子供向け屋内遊具)
要  約 
県産材の活用を目的として、子供向け屋内遊具の製品開発に取り組んだ。県産スギ材をアーム部に、ブナ材をジョイント部に用いて、室内組立式ジャングルジムの一次試作を行った。試作品は、曲げ強度試験により安全性・堅牢性を検討した。

 

研究テーマ
移動式チッパを使用したスギ枝葉等の粉砕の1事例(研究資料)
要  約 
 枝葉等の利用や現地処理の方法を検討するため、スギ枝葉等を移動式チッパ(コマツゼノアチッパシュレッダSR200)により粉砕試験を行った。粉砕の結果、スギ枝葉等の容積は14.4m3から4.5m3と31%に減少した。枝葉等の粉砕に要する経費は、5,095円/m3 であった。木片の最大厚さが22mmと大きいため、粉砕によるマツノマダラカミキリ被害木の処理には不十分であった。

 

研究テーマ
グラップルレーキを用いたブナ林の造成(研究資料)
要  約 
 青森県下北半島の国有林内において、グラップルレーキを用いて、ササ地等で覆われた放置牧野にブナを植栽し、再森林化を試みた結果、大型機械が必要となるが、ササに覆われた林地などを再森林化する手段として有効である可能性が示唆された。

 

研究テーマ
 県産材利用開発研究(研究資料)
要  約 
  木質バイオマス資源調査として、間伐材の林内放置量と製材工場からの廃材量を把握した。
   モデル地区として、平内町夜越山地区(消費地モデル)、十和田湖町奥瀬地区(供給地モデル)、新郷村戸来地区(薪利用モデル)、中里町(木炭利用モデル)を選定し、各モデルにおける集荷運搬システムを検討した。

                  

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