H18年度研究成果

 平成18年度研究成果 

研究テーマ

 ヒバ造林地の野ネズミ被害について

要  約 

 植栽後5年を経過したヒバの造林地に野ネズミ被害が発生したので、被害形態や被害の生長へ与える影響について調査した。被害地は積雪1m以上の多雪地帯の山地で、被害は10,000本/ha植栽の密植した造林地で多くみられた。なお、周辺は3,000本/ha植栽の造林地で、そこではほとんど被害はみられなかった。被害を受けた造林地での野ネズミ捕獲調査で、アカネズミとハタネズミが複数頭捕獲されたが、野ネズミの種別の食性の違いから、ハタネズミを主体とした被害と思われた。造林木の幹下部から樹冠上部にかけて広範囲に剥皮食害される被害であったが、樹高1m未満、根元直径30mm未満の立木で被害は少なく、樹高1m以上1.3m未満、根元直径30mm以上35mm未満の立木で最も被害が多かった。しかし、それ以上樹高が高く根元直径が太くなると被害は少なくなり、樹高1.9m以上、根元直径45mm以上の立木では、食害程度の軽い被害が少数みられるのみであった。また、樹高が高く根元直径が太くなると被害部位が上方へ移行する傾向がみられた。なお、この造林地の平均樹高は1.4m、平均根元直径は35mmである。衰弱~枯死する立木の多かった幹樹皮が環状に食害される被害で、特に立木に与える影響が大きいものと思われた。しかし、幹樹皮が広範囲に食害されても、環状に剥皮されていない立木は、積雪により倒伏木が発生しても秋には直立して回復しており、また、カルスの発達により被害部の露出面が小さくなっていたことから、被害が立木の生長に長期間影響を与えるものとは思われなかった。

 

研究テーマ

スギ雪害抵抗性品種『出羽の雪』の生育状況について(研究資料)-林業試験場山舘実験林の調査結果から-

要  約 

 当試験場実験林内に植栽し、8年経過した出羽の雪1号、2号の生育状況調査の結果を取りまとめた。挿し木苗である出羽の雪1号、2号と、対照苗である一般造林用実生苗を比較した結果、生存率には差が無かった。生長は、出羽の雪1号は対照苗に比較し、有意な差は無いが遅れ気味であり、2号は対照苗に比較し有意に遅れていた。根元曲がりに対する抵抗性は、出羽の雪1号、2号とも高く、特に2号が高かった。

 

研究テーマ

壁面緑化用基盤への応用試験
要  約 

 従来のものに較べて吸水性を高めた植生マット(吸水性マット)を開発し、壁面緑化用
基盤としての可能性について調べた結果以下のことが分かった。
①スギ間伐材小片を原料とした植生マットの実測体積含水率θwと誘電率の平行根√εの関係を示すキャリブレーション直線式を得、その切片と傾きはそれぞれ、a1=6.46、 aO=1.18であった。
②垂直設置試験における植生マットの体積含水率は、300mm離れた上部と下部で約25%の差が生じた。
③体積含水率35%の下限設定では、水分不足と思われる生育障害が見られた。
本試験によってADR土壌センサーを用いることによって土壌含水率に応じたリレー制御が可能であることが実証され、吸水性マットを使った新しい壁面緑化システム開発の可能性が見出された。

 

研究テーマ                                                            
高齢者向け木製玩具の開発
要  約 
 高齢者が楽しく遊びながら身体機能を維持できることを目的に、玩具・福祉機器などの市場調査と高齢者施設での調査を基に一次試作品を製作し、高齢者施設を対象に試作品のモニター調査を実施し、その結果を基に改良した二次試作品を製作した。

         

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