H21年度研究成果

平成21年度研究成果 

研究テーマ

 青森県日本海側の天然性海岸林について

要  約 

 マツ材線虫病に強い海岸林を構築する資料を得るために、日本海側の海岸付近に自生する落葉広葉樹林について調査し、出現した樹種の中から新たに海岸部へ導入すべき樹種について選定した。選定した樹種はカシワ、エゾイタヤ、ミズナラ、シナノキ、ケヤキなどである。
 また、これらの樹種を海岸部へ導入する場合の使用場所について区分した。

研究テーマ

 18年生アオモリトドマツにみられた着花の特徴

要  約 

 実生由来の18年生アオモリトドマツが開花し、球果が着生した。その着果木は2m以下と極めて小さく、球果も通常のものに比較し小型であった。少量の雄花が同一集団の供試木に観察されたが、種子には発芽能力が無く、全量粃粒(=しいな)種子であった。

研究テーマ

 ツバヒラタケの菌床栽培方法

要  約 

 本県に自生する野生きのこツバヒラタケの菌床栽培方法を検討したところ、ブナオガクズ、スギオガクズ、リンゴ剪定枝チップ及びオガクズについて使用可能であることが分かった。
 また、菌糸の培養温度について菌糸の生長速度試験から22℃~28℃が適していることが分かった。
 ツバヒラタケの菌床栽培で培地基材にスギオガクズを使用した場合、栄養材について混合割合を変えて比較したところ、ホミニーフィードの量を多くした方が収量が多いことが分かった。
 ツバヒラタケの子実体発生と生長におよぼす光の影響については、培養期間中は暗黒培養に近い光条件で良く、発生処理及び生育管理の段階では培地に十分な光が均等に照射される環境が必要なことが分かった。
 スギオガクズを培地基材としフスマ、ホミニーフィードを使用した培地での培養日数試験からは30~40日が適した培養期間であることが分かった。
 簡易な施設での培養、発生方法を検討するために、培養を車庫で、発生をスギ林内に設置したビニールトンネル内でさせたところ、9月下旬頃から発生が見られ、簡易な施設での培養や発生も可能であることが示唆された。

研究テーマ

 スギの試験体による曲げ強度試験(Ⅱ)
-試験体へ付与した深さの異なる人為的欠点(鋸目)が曲げ強度に与える影響について-

要  約 

 試験体(20×20×320㎜)に人為的欠点として鋸目を付与し、曲げ試験を実施した。
 鋸目の深さ、付与した位置による曲げ強さへの影響を調査した。
曲げ試験の結果から、同一採取母材からの試験体において、付与した鋸目の影響は、曲げ強さに対して深いほど大きいこと、位置が荷重点に近いほど大きいことが明らかとなった。一方、曲げヤング係数の結果には影響が見られなかった。
 また、曲げ強さに対して、鋸目の影響よりも供試試験体を採取した母材の強度特性の相違が大きな影響を与えた。
 このことは、実大材に置き換えると、節等の欠点の存在が曲げ強さの低下の要因となり得るが、節等の欠点が存在するからといって欠点の無い材よりも曲げ強さが小さいとは限らないことを示唆している。

研究テーマ

 スギの試験体による曲げ強度試験(Ⅲ)
-小試験体における節等の欠点が与える影響について-

要  約 

 節・貫通節等の欠点を有する試験体(20×20×300mm)について曲げ試験を実施した。
 節を持つ試験体は貫通節を持つ試験体より曲げ強さ、曲げヤング係数ともに大きな値を示した。
 節・貫通節の形状が試験体のサイズに比較して大きすぎたことから、欠点の位置による影響は見られなかった。
これらのことから、曲げ性能を機械等級区分で表示する場合には、節についても評価する必要があると考えられる。

研究テーマ

 スギ平角材における曲げ性能試験について(Ⅰ)

要  約 

県産スギ平角材を高温乾燥、中温乾燥の2方法で実施して、乾燥後の材質、曲げ強度について比較した。
 乾燥後の含水率では、高温乾燥において目標含水率内に収まる含水率であったが、中温乾燥において平均すると目標含水率内に収まったが半数近くが超えており、乾燥方法の改善が求められる。
 乾燥後の材質調査の結果、材面の干割れについては高温乾燥で短い干割れが多く発生し、中温乾燥で長い干割れが多く発生した。
 曲げ強度については、全体で見ると、乾燥方法による相違は認められなかったが、同値の曲げヤング係数における曲げ強さで比較すると、高温乾燥が中温乾燥より小さい値を示した。
 乾燥後の曲げ試験結果では、曲げ強さと材質調査項目との相関は認められなかった。

研究テーマ

 青森県産木材を活用した逸品づくり事業

要  約 

  ヒバ、スギ等の地域木材資源を活用し、「特許」や「NC加工技術」等の林業研究所が持っている新技術と企業のアイデアや伝統技術の融合によって、お洒落で高級感のある「青森らしい」輝く逸品を開発した。

                       

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