畑園試だよりNo.15


<掲載記事>
○平成19年度新規課題

 ・青森ブランド野菜の販売力強化のための新作型開発
 ・特産野菜優良品種の育成
 ・畑作物・野菜の病害虫防除試験
○平成18年度主要成果
 ・いちご半促成栽培における「さちのか」の特性
○主要行事
 ・人の動き
 ・ながいも優良種苗検討会
 ・春作業始まる
 ・フィールドサーバの実証
 ・菜の花開花


平成19年度新規課題

青森ブランド野菜販売力強化のための新作型開発
(平成19~22年度)

  
 本県のブランド野菜であるにんにく、いちごでは、国内外との産地間競争が激化している。 これに打ち勝っていくためには、周年出荷体制を一層強化していく必要がある。
 このため、にんにくでは低温貯蔵後2~5月に出荷するものの一部に発生する障害の軽減技術を確立するとともに、早出しのための新しい作型を開発する。また、いちごでは、四季成り性品種を利用した夏秋どりの作型を開発する。

主な研究課題
 1.にんにくの貯蔵中の障害発生軽減技術と新作型開発による安定生産技術
  (1)貯蔵中の障害発生軽減技術
  (2)ハウスを利用した新作型開発
 2.四季成り性品種を利用したいちごの夏秋どり作型の開発
  (1)子苗確保と育苗技術
  (2)品種選定と安定生産技術

 担 当:栽培部

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特産野菜優良品種の育成
(平成19~25年度)

 
 県産ながいもは、収量・品質の低迷、販売価格の低落により厳しい状況にある。収量・品質低迷の一要因として、品種・系統、種苗の増殖体系がまちまちで統一されていないことが指摘 されている。
 このため、収量・品質に優れた新品種を育成するとともに、生産性の高い種苗の増殖体系を 確立する。また、本県特有の野菜について、産地づくり、ブランド化を推進するために、さらに高品質な新品種を育成する。

主な研究課題
  1.ながいも新品種の育成と増殖技術確立
  2.特産野菜新品種育成
  3.特産野菜遺伝資源の収集・保存

 担 当:作物改良部

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畑作物・野菜の病害虫防除試験
(平成19~23年度)


 「売れる畑作物・野菜」を供給し、産地を維持・拡大していくには、消費者が求めているより安全で安心なものを生産していく必要がある。このため、病害虫の発生消長など発生生態の特徴を解明し、無駄のない安全で適切な防除技術を確立する。

 主な研究課題
  1.新規病害虫の診断・同定と防除法の確立
  2.主要作物の病害虫の発生生態の解明と防除技術の開発

 担 当:病害虫防除室

 



平成18年度主要成果

いちご半促成栽培における「さちのか」の特性)


  県産いちご主産地の八戸市では、「麗紅」の半促成栽培が中心でありますが、近年、「麗紅」は、「さちのか」、「とちおとめ」等の品種と比べ、食味・日持ち等の商品性が劣ることから市場評価が低下しています。
  また、「麗紅」に芽枯れ症状が発生したこともあり、産地から新たな品種が求められていました。
  そこで、当場では「麗紅」の作型・栽培管理で品種比較試験を行ったところ、「さちのか」を有望としたので、その内容を紹介します。

 1.収穫始め
   収穫始めは、「麗紅」より2週間程度早い。
 2.収量
   株当たりの総収量は、「麗紅」とほぼ同等~やや上回る。
   株当たりの商品果収量は、「麗紅」とほぼ同等~やや上回る。
 3.商品果の平均1果重
   商品果の平均1果重は、「麗紅」よりやや小さい。
 4.商品果率
   商品果率は、「麗紅」とほぼ同等である。
 5.糖度・硬度
   糖度は、収穫期間を通じて、「麗紅」より高めである。
   硬度は、収穫期間を通じて、「麗紅」より高い。


(栽培部 木村一哉)
 




人の動き

1.転出者(平成19年4月1日付)
職  名 氏  名 転  出  先
総務管理監 小野 賢一 農産園芸課 副参事
主  幹 蝦名 慎太郎 農林総合研究センター林業試験場 主幹
主   査 鳥谷部 京子 上北地域県民局地域農林水産部 主査
技   師 北野 のぞみ 上北地域県民局地域農林水産部 技師
技   師 村上 卓司 上北地域県民局地域農林水産部 技師
技   師 佐藤 正和 食の安全・安心推進課 技師

2.転入者・昇任者(平成19年4月1日付)
職  名 氏  名 旧  所  属 ・ 職
総務管理監 油川 雄光 中南地域県民局地域農林水産部 総括主幹
主   幹 木野田 みはる 農林総合研究センター 主幹
主   幹 及川 健 農林総合研究センター畑作園芸試験場 主査
研究管理員 庭田 英子 中南地域県民局地域農林水産部 主幹
主   査 竹ケ原 幾子 農林総合研究センター藤坂稲作研究部 主査
主任研究員 木村 一哉 農林総合研究センター畑作園芸試験場 技師
主任研究員 前嶋 敦夫 農林総合研究センター畑作園芸試験場 技師
主任研究員 古川 尊仁 農林総合研究センター畑作園芸試験場 技師


ながいも優良種苗検討会

 平成19年4月24日、JAのながいも部会長や関係者約50人が出席し、「ながいも優良種苗検討会」が開催されました(主催:県、全農あおもり)。これは、当場が育成し生産現場に供給 している優良系統「園試系6」の母本(成いも)の形状を確認したいという要望に応えたものです。
 ガラス網室内に約500本の母本を並べ、栽培管理法、ウイルス診断法、形状選抜方法について説明するとともに、出席者でいもの形状を確認し合いました。その後、会議室で意見交換や種苗増殖体制についての検討を行い、「ながいもの優良種苗供給体制に万全を期して、高品質 生産に努めよう」と決意を新たにしました。
 
「園試系6」の形状 並べられた母本を見ながらの検討
(ガラス網室内)


春作業始まる
 
小麦の追肥作業(4月6日) 堆肥の散布(4月6日)
ながいも種子(1年子)の掘り取り(4月11日)
掘り取った種子は、種々の試験に使われます。
にんにくハウス栽培の生育調査
(4月11日)
じゃがいも種子の準備
(4月11日)
ながいも植え付け(5月1日)
<頂芽付き小型1年子の早植え栽培>
地元大曲小学校の体験学習(5月7日)
<じゃがいもの植え付け>



フィールドサーバ(気象ロボット)の実証
 にんにく圃場で、気象データや生育、病害虫 発生状況等の画像データを自動計測・収集しています。
 将来は、リアルタイムの環境、生育情報をもとに管理作業等への利活用が期待されています。
 


菜の花開花
なたね原種生産圃場の開花が連休明けに始まりました。品種は、「キザキノナタネ」です。(5月8日) 5月20日頃に満開となり、畑の周辺は菜の花の香りがいっぱいです。また、ミツバチがたくさん来て、蜜を集めています。

 
 

ass

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