Q14 ホルスタインは何を食べているのですか?

牛は広々とした原っぱで新鮮な草を食(は)んでいるイメージを持つかもしれませんが、、、

飼料の種類としては、粗飼料、濃厚飼料、ミネラルなどの飼料添加物に分類できます。このほかに、食べ物ではありませんが鉱塩というなめ物も与えています。

牧草を乾かした乾草、貯蔵性を高めるため牧草を乳酸発酵させたグラスサイレージ、トウモロコシの雌穂と茎葉を合わせて乳酸発酵させたトウモロコシホールクロップサイレージ、稲の籾と茎葉を合わせて乳酸発酵させた稲ホールクロップサイレージなどが主な粗飼料です。ホールクロップサイレージは、粗飼料である茎葉と濃厚飼料である雌穂を併せ持ちますが、粗飼料に分類されることが多いようです。

飼料メーカーがトウモロコシなどの穀物を混合した配合飼料が代表的な濃厚飼料となります。このほか、タンパク質含有率の高い大豆粕やホルスタインに給与されることはあまり多くはありませんが飼料米も濃厚飼料になります。

牛乳は、カルシウムが豊富な食品ですが、粗飼料と濃厚飼料からの供給では不足するので飼料添加物として与える必要があります。このほかにもリンやマグネシウムといった不足しやすいミネラルを与えることもあります。

鉱塩は、食塩を主成分としたミネラル剤で、牛が自由になめられる状態にしておきます。

近年の濃厚飼料価格の高止まりと、飼料自給率向上の気運から、トウモロコシの雌穂だけを乳酸発酵させたイヤコーンサイレージ、トウモロコシの子実だけを乳酸発酵させたハイモイスチャシェルドコーンといった自給または地域内流通が可能な濃厚飼料の作付け拡大が期待されています。

また、食品加工残渣の一部も飼料として使われており、エコフィードといわれます。本県では、りんごジュース粕、醤油粕などが利用されています。
植物性飼料の他に昆虫飼料もあります。絹の生産が盛んだった頃はカイコのサナギも飼料として使われていました。

 

 補足→ホールクロップサイレージ=whole crop silage=全収穫物サイレージ(whole=全部、まるごと crop=収穫物 silage=保存性を高めるため飼料作物を密封して嫌気的に乳酸発酵させた飼料)。

 参考:wholeケーキ、wholeトマト、コンサートhall、ブラックhole

 補足→イヤコーン=ear corn=雌穂トウモロコシ。ear cornのearは耳のほかに、トウモロコシや麦などの穂の意味もある。

 補足→シェルドコーン=shelled corn=子実トウモロコシ。shelled cornのshellは貝。shelledになると殻を取った、穂から離された、の意味になる。

 補足→乾草:アルプスを舞台としたアニメに出てくる干し草とは全くイメージが違い、国内で生産される乾草のほとんどは円筒状に成形される。また、本県の牧草は春から秋までの間に2~3回収穫されるが、最初に収穫される1番草はバキバキに固く、干し草にダイブする主人公のマネは困難と思われる。

 

 

 

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