付着物一覧


甲殻類
ホタテガイの殻の表面や浮玉に付着します。陸奥湾では、サンカクフジツボ(Balanus trigonus)、ミネフジツボ(Balanus rostratus)が主に付着し、稀にアカフジツボ(Megabalanus rosa)も付着します。ミネフジツボは比較的大型になるために陸奥湾内では食用にも供されています。
サンカクフジツボ
サンカクフジツボ
ミネフジツボ
ミネフジツボ
養殖篭にはイバラワレカラ(Caperell acanthogaster)、クビナガワレカラ(Caprella equilibra)、オオワレカラ(Caprella kroyeri)が棲息して、更に海水交換を悪くすることがあります。
イバラワレカラ
イバラワレカラ

二枚貝
ムラサキイガイとキヌマトイガイ(Hiatella orietalis)がホタテガイの貝殻表面だけでなく養殖施設全体に多数付着します。特にムラサキイガイは一旦足糸で固着すると脱落することなく成長していくので、ホタテガイの養殖管理上最も邪魔な存在となっています。また、この2種はホタテガイとほぼ同じ時期に産卵されるので、ホタテガイの採苗器にも多数付着します。このため、この2種の付着が多い年には、採苗器からホタテガイだけを選別するのに手間がかかります。
ムラサキイガイ
ムラサキイガイ
キヌマトイガイ
キヌマトイガイ
 

多毛類
殻の表面には直径が数mmの石灰質の棲管を伸ばしながら成長していく多毛類のカサネカンザシ(Protohydroides elegans)またはウズマキゴカイ(Dexiospira foraminosa)が付着し、出荷時に除去のための作業が大変になります。
ウズマキゴカイ
ウズマキゴカイ

ホヤ類
養殖篭に多数付着して網目を詰まらせることがあります。特に、単体ボヤのユウレイボヤ(Ciona intestinalis)、エボヤ(Styela clava)、ドロボヤ(Collela japonica)が多数付着すると篭を船上に揚げることができなくなります。群体ボヤのウスイタボヤ(Botryllus schlosseri)は貝殻の表面を覆ってしまうことがあります。
ユウレイボヤ
ユウレイボヤ
エボヤ
エボヤ
ウスイタボヤ
ウスイタボヤ
 

ヒドロ虫類
漁業者が“クサ”と通称しているヒドロゾアのヒラタオベリア(Obelia plana)は養殖篭だけでなく、耳吊りしたホタテガイにも多数付着し、篭またはホタテガイの周囲の海水交換を悪くします。
ヒラタオベリア
ヒラタオベリア

イソギンチャク
大型で茶色のヒダベリイソギンチャク(Metridium senile var. fimbriatum)が貝殻に付着し、これを貝殻からはく離する時にこのイソギンチャクの刺胞が目に入ると目が腫れることがあります。
ヒダベリイソギンチャク
ヒダベリイソギンチャク

苔虫類
養殖篭の網目に団子状に付着したり、ホタテガイの貝殻の表面に付着したりして、篭を重くしてしまうことがあります。また、ヒラヤワコケムシ(Alcyonidium polyoum)がホタテガイの採苗器内の刺網に付着すると、ホタテガイの稚貝が付着できなくなります。
ヒラヤワコケムシ
採苗器の網に付着したヒラヤワコケムシ
このページの
先頭へ戻る