Q1 牛の受胎率を高めるために、飼養管理のなかで、注意することは何か?

開業している人工授精師や獣医師に聞くと、農家の違いにより受胎率に差があるという話をよく聞きます。

特に、質の良い乾草を十分に与えている農家さんは受胎率が高い傾向があり、反対に乾草の質が悪く配合飼料を多く与えている農家さんは受胎率が低い傾向があります。

これには理由があり、牛が配合飼料を食べると、ルーメン(第1胃)内でアンモニアが生成され、通常ルーメン内の微生物が水溶性炭水化物(糖類)を利用しアンモニアを吸収します。

しかし、水溶性炭水化物が不足するとアンモニアがルーメン内に蓄積し、その後アンモニアは、血液中に入り子宮や卵巣と言った生殖器官に悪影響を与え、受精卵の発育を阻害し結果的に受胎率の低下へとつながります。

そこで、水溶性炭水化物を多く含む圧片トウモロコシを給与することにより、受胎率が改善したという報告があります。

実際に、発情に合わせ人工授精あるいは受精卵移植を実施しますが、この発情から28日間、配合飼料の給与を止め、代わりに圧片トウモロコシを約1kg与えることで受胎率が改善するという報告がありますのでお試しください。

 

 

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