ヒメマス

  • 和名:ヒメマス

  • 学名:Oncorhynchus nerka (Walbaum)

  • 英名:Kokanee

  • 特徴:ベニザケの陸封型。頭部と体の背部は鮮やかな青緑色で背部と尾鰭黒い小さな斑点のあるものもいる。体側は銀色、腹部は銀白色である。成熟すると雄は体高が高くなり、背鰭前方で若干隆起、体側後方がきれいな赤い婚姻色となる。雌では体型の変化は少なく、体側後方が赤く変化する。

  • 生態:十和田湖では十和田湖増殖漁業協同組合の孵化場が和井内にあり、そこで5センチメートル前後まで育てられたヒメマス稚魚が7月初旬に放流される。稚魚は湖内で主に動物性プランクトン(ハリナガミジンコ、ヤマヒゲナガケンミジンコ)などを食べて成長し、4年前後で成熟し、秋には孵化場前に帰って来る。漁協ではこの親魚を採捕して、採卵、飼育を行い、翌年の放流用種苗とする。

  • 成長:生息する湖沼の餌の状況によって成長は大きく異なる。十和田湖では4年前後で親魚となり、全長は30センチメートル程度。

  • 産卵期:十和田湖では10月中旬から11月上旬

  • 分布:原産地は北海道のチミケップ湖と阿寒湖。1894年に阿寒湖から支笏湖へ移殖。1902年に支笏湖から十和田湖へ移殖、その後、十和田湖と支笏湖から洞爺湖、屈斜路湖、池田湖、猪苗代湖、青木湖、中禅寺湖、本栖湖などに移殖放流された。青森県内では十和田湖の他、蔦沼に放流されている。

ヒメマス成魚の写真
ヒメマス成魚

ヒメマス雄親魚の写真

ヒメマス雄親魚

 ヒメマス雌親魚の写真
ヒメマス雌親魚

十和田湖ふ化場前に帰ってきたヒメマス親魚の写真
十和田湖ふ化場前に帰ってきたヒメマス親魚

【参考文献】

  • 日本の淡水魚:川那部浩哉、水野信彦編 監修、山と渓谷社

  • サケ・マス魚類がわかる本:井田齊、奥山文弥、山と渓谷社

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